木々の緑が潤しい「庭」のある外空間は何ものにも代えがたい豊かさがある。その豊かさとは人の心や精神の豊かさに他ならない。


古来より日本人は自然を大切に、自然を慈しみ、親しみ、敬い、感謝し、自然から多くのものを享受し、共存共生しながら心豊かに暮らしてきた。


自然の中に人が居る。人の傍に自然があるという日常が当然であった。


近年、凄まじい開発によりこの当たり前の日常が、日常でなく、開発という破壊行為の中で自然を喪失、同時に人の心も荒んでしまう。


自然に対する本来の日本人の姿や心を取り戻す手立ての一つに「庭」の存在がある。


「庭作り」は自然を創生させる最も人為的な行為であるが、その行為自身が自然に対して憧れを持つ日本人の本能かもしれない。